
新しい命を授かるためには、いくつもの「奇跡のタイミング」が重なっています。では、体はどのように準備をし、妊娠へとつなげているのでしょうか。
1.精子と卵子の出会いには「期限」がある
射精された精子は、元気なものであれば1時間ほどで卵管へたどり着き、そこで卵子を待っています。
・精子の寿命:約2~3日間
・卵子の寿命:排卵後、約10時間から長くても24時間
卵子の受精できる時間は意外と短いため、あらかじめ精子が卵管で待機している状態、つまり「排卵の1〜2日前」に性交渉を持つことが、最も妊娠しやすいタイミングとされています。この時期は、精子が子宮に入りやすくなるよう「おりもの」も増えて体をサポートしてくれます。
2.卵子が卵管へ取り込まれるまで
卵巣から飛び出した卵子は、「卵管采(らんかんさい)」という場所でキャッチされ、卵管の中で精子と出会い「受精卵」となります。ただ、ここでうまく取り込まれないケースも意外と多く、妊娠に至らない要因のひとつと考えられています。
3.着床してはじめて妊娠が成立する
受精卵は5〜6日かけてゆっくりと子宮へ移動し、「胚盤胞(はいばんほう)」という状態まで成長します。そして受精から約7日目、子宮の壁(子宮内膜)にそっと潜り込むことで「着床」し、ここでようやく妊娠が成立するのです。
4.妊娠の確認とその後の経過
- 受精から約2週間:妊娠検査薬で妊娠反応が出始めます。
- 妊娠5週頃:超音波検査で「胎嚢(たいのう)」という赤ちゃんの袋が見えます
- 妊娠6週頃:赤ちゃんの心拍が確認できます。
知っておきたい「不妊症」のこと
日本では以前まで「結婚生活2年以上」を不妊症と呼んでいました。しかし、現在は「1年以上」に定義が変わっています。また、不妊検査や治療を受けたことがある夫婦は「4.4組に1組」。多くの夫婦が不妊と向き合っているのです。
不妊の検査・治療を受けたことのある夫婦は18.2%から22.7%(4.4組に1組)に増加。結婚5年未満の夫婦の6.7%が調査時点で不妊の検査・治療を受けている。
第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)|国立社会保障・人口問題研究所
なぜ不妊が増えているのか
その要因として主に以下の3つが考えられています。
- 晩婚化:年齢とともに卵子や精子の質が変化する
- 性感染症:クラミジアなどが原因で卵管が詰まってしまうケース
- 環境要因:生活習慣や環境ホルモンによる生殖機能への影響
不妊の要因は男性側・女性側・あるいは両方にある場合も多いため、パートナーと一緒に現状を知ることが大切です。
納得できる治療の進め方
不妊治療には大きく分けていくつかのステップがあります。
- タイミング法:排卵日を予測して、最も妊娠しやすい時期に性交渉を持つ方法。
- 人工授精:卵管までの距離をショートカットし、最も卵子に近い場所へ元気な精子を送り届けて、出会いの確率を高める方法
- 体外受精/顕微授精:体外で受精させ、育った胚盤胞を子宮に戻す方法。
体の状態や希望は、人によってさまざまです。産婦人科の先生のアドバイスを参考にしながら、パートナーと相談し「ふたりにとってのベスト」を選択していきましょう。
出典・参考リンク:
不妊治療、社会全体で理解を深めましょう|政府広報オンライン
不妊症 – 公益社団法人 日本産科婦人科学会